あの頃からあなただけが好きでした
「モートンは、私のパートナーの名字ですよ」
「パートナー?
オーブリー嬢とは……」
「私は貴方がどなたなのか存じ上げていないし、教える義理もないのだけれど。
マリオンのお知り合いでしょう?
彼女との婚約等、誰に聞かされての話かは
どうでもいいですが。
私のパートナーとは夫の事です」
「……夫?」
「ちなみにマリオンと食事を共にする事は、夫も公認してくれています。
彼女は誰に対しても恥じることの無い友人です」
「……これは大変ご無礼な事を。
どうかお許し下さいますようお願い申し上げます。
お詫びにお勧めのシャンパンをお持ちしても
よろしいでしょうか?」
丁寧な口調で、カーティスは謝罪するが。
それまで黙ってやり取りを聞いていた私も、ここで口を挟ませて貰うことにした。
「いいえ、結構です」
「マリオン?」
隣でスコットが驚いていた。
私が知り合いからのお詫びのお酒を断るとは、思ってもみなかったのだろう。
ブレナーの名前まで出すことになり。
彼ももしかしたら気分が悪かったのに、私の手前、我慢してカーティスに応対していたのだ、と思ったし……