あの頃からあなただけが好きでした

 男2人なんだから、今夜こそ私も……と期待したのに。
 やっぱりこの夜も3人で出掛けて、私だけが置いていかれた。
 平民の私なんて相手にしない、ってこと?


 前からマリオンの事は今一つ好きになれなかったけれど、この夜で決定的になった。
 女友達なんてどうでもいい女確定だ。

 冴えないくせに自分だけが、男達にチヤホヤされたい女。
 いつかひどい目に合えばいいのに。
 私の怒りはマリオンだけに向けられた。


 今更スコットやブレナーなんかどうでもいい。
 だけど、このカーティスは。
 私の好みのど真ん中だ。


 今回は絶対に、簡単には引き下がらない。
 今夜はふたりで過ごさせない。
 まだマリオンとは友達のままなら、彼を誘惑してやる。

 マリオンが泣くところが見たかった。


「お待たせしました、ご案内しますね」

 お茶を飲みながら、何事か考え込んでいたらしいカーティスが立ち上がった。


「お時間をとらせてしまい、申し訳ありません」

 ふわりと笑う彼の笑顔に見とれてしまった。
 あぁ、本当に。
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