あの頃からあなただけが好きでした
マリオン16歳
コーカス高等学園に入学して2週間が過ぎた頃、私の教室に彼が現れた。
カーティス・ブルーベル。
大繁盛のブルーベル商会の息子。
背が高く、サラサラとした銀色の髪と蒼い瞳が
印象的な彼は入学当初からとても目立っていて。
『綺麗な顔をした男の子』と早くも学園の有名人になっていた。
彼がどの授業を選択したのだとか。
今日は食堂で何を食べていたのだとか。
あらゆる彼の話題が、毎日女生徒の間で飛び交っていたので。
そんな彼が私の名前を告げて、呼び出された時は喜びよりも驚きの方が大きかった。
「いきなりで、ごめん。
君のお姉さん、ジュリアさんだったよね?
俺はキーナンの弟なんだ」
そう自己紹介されたが、キーナンという名前に
聞き覚えはなかった。
が、姉の同級生なら、と思い当たった。
貴族の令息令嬢を差し置いて、首席卒業で答辞
を読んだひと。
姉の卒業式に出席した父が、そう忌々しげに
言っていた。
カーティス・ブルーベル。
大繁盛のブルーベル商会の息子。
背が高く、サラサラとした銀色の髪と蒼い瞳が
印象的な彼は入学当初からとても目立っていて。
『綺麗な顔をした男の子』と早くも学園の有名人になっていた。
彼がどの授業を選択したのだとか。
今日は食堂で何を食べていたのだとか。
あらゆる彼の話題が、毎日女生徒の間で飛び交っていたので。
そんな彼が私の名前を告げて、呼び出された時は喜びよりも驚きの方が大きかった。
「いきなりで、ごめん。
君のお姉さん、ジュリアさんだったよね?
俺はキーナンの弟なんだ」
そう自己紹介されたが、キーナンという名前に
聞き覚えはなかった。
が、姉の同級生なら、と思い当たった。
貴族の令息令嬢を差し置いて、首席卒業で答辞
を読んだひと。
姉の卒業式に出席した父が、そう忌々しげに
言っていた。