あの頃からあなただけが好きでした
冷たくもないけれど、興味なんて全然無い瞳が私を見る。
いつもならこんな扱いされたなら腹が立って、
『あぁそうですか』と帰るのに。
何故か、私は彼にしつこくしてしまった。
「マリオンの様子、手紙でお知らせしましょうか?」
今夜が駄目なら、住所だけでも手に入れたい。
今、彼の頭の中はマリオンと、さっき見た情景でいっぱいなのかもしれないけど。
時間がたって冷静になったら、付け入る隙も出てくる。
カーティスが身に付けている品だって、結構お金がかかってる。
多少、いつもよりこちらが譲歩しないといけなくても。
地方に住んでいようが、手に入れる価値が彼にはある、と思った。
その日、カーティスが教えてくれたのは。
港があるガーランドの、シーフードレストランの住所だった。