あの頃からあなただけが好きでした
「当たり前だ、クレアも大概だけど。
あのカーティスって奴は質が悪い」
「俺が思うにだけど……」
ブレナーが夕食の用意をしている俺の背後に立つ。
「その男はまだマリオンの事、諦めてないんじゃない?」
そう言いながら、後ろから抱き締めてくる。
うなじのところに息を吹き掛けられて、ゾクゾクとしたら……そのままペロッと舐められた。
「ブレナー! お前なぁ!」
色気もない舐め方で、ふざけているのだとわかる。
振り返り、してやったり顔の夫に肘鉄を食らわせてやった。
「その気になってた? ごめんごめん」
「今夜はメシ抜きにするからな!」
◇◇◇
行為の後の所謂ピロートークというヤツが俺は
好きだ。
男なら賢者タイムと言うか、致した後は無口に
なるらしいが、俺はそういうタイプじゃない。
それに付き合ってくれるブレナーは、毎回少々
眠そうだ。
「さっきさぁ、あの男がマリオンを諦めてない、って言ってただろ?
何でさ、現にクレアと付き合ってるじゃないか」
「俺なら諦めないと、他の奴と付き合うのは別、って話だから」
「ブレナーなら?」