孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

状況に頭が追いつかなくて、しばらく呆然と立っていた。


雪くんが冷えきった目でわたしを見てる。

シャワーの水はどれだけ待ってもあったかくならない。


わたしの家のシャワーは、温度調節にちょっとだけ時間がかかる。
最初は冷たくても、あとからちょうどいいお湯が出てくるから……もうちょっと待てば……。


なんて、アホみたいに信じちゃってばかみたい。


いつまでたってもそうならないのは、雪くんがわざと“そうしてるから”だって、1分くらいしてようやく気づいた。


服がどんどん濡れて重たくなっていく。

髪から、雫がぽたぽと落っこちて……。



「っ、……くしゅ」


首筋からぶるっと寒気がはしって、くしゃみがでる。
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