孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「杏実〜、昨日はよくもしれっと帰ったな!」
教室に入るなり、まりやちゃんからお声がかかった。
「ごめんごめん。でも佐々木くんとうまくいったんでしょ?」
「おかげさまでね〜。杏実たちは、私たちを撒いたあとすぐ帰ったの?」
「う……ん、まあ。ちょっと寄り道してすぐ帰ったよ。雪くんにも悪いし……」
「あはは、雪くんって意外とそういうの気にするタイプなの? かわいい〜」
世界中の誰よりも気にするタイプだよ!
可愛いのレベルを超越してるよ!
「ね、また今度4人で遊ぼうよ。佐々木くんとも話してたんだ〜」
「えっっ……それはちょっと」
だめだめ。
もう二度と同じ過ちを繰り返してはならぬ。
「えっなんで? 4人で遊ぶの楽しかったじゃん」
「楽しかった……っけど、まりやちゃんと佐々木くんの邪魔になると思うし」