孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「いやいや、みんなで遊ぶのとデートはまた別だって」
「ご、ごめん! わたし雪くんと約束してて、以外の男の子とは遊ばないって決めてるから……っ」
なんとかして断らなくちゃって焦って、つい大きな声が出てしまった。
近くにいたクラスメイトの視線が集まるのを感じて、顔がじんわり熱くなる。
「あははっ、杏実ほんとにかわいい〜。雪くんのこと大好きじゃん」
みんなから逃れるようにななめ後ろを向けば、意図せず、とある人物と目があった。
──よりによって、本領 墨くん。
じっと見つめられて、1秒、2秒、3秒。
冷たくもあったかくもない瞳。
睨むでも微笑むでもなく、なにを思ってるのか全然わからない。
どうして逸らさないの?
ていうかわたしも……どうして逸らせないの?