孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
今のわたしの発言、惚気にしか聞こえなかっただろうな……。
うざいって思われたかな。
いやいや、べつにどう思われててもいいんだけど……。
「──加藤様」
「ひっ!?」
名前を呼ばれて我に返るまで、わたしの世界はたしかに本領くんと一直線に繋がれてた。
クラスの喧騒もそっちのけで、すぐ近くにいるまりやちゃんのことすら見えていないような。
「中城くん、お、おはよ……」
いつの間にかすぐ側に立っていた人物。相変わらずの能面で気配もない。
「雪様は、本日は家庭のご都合で学校はお休みされるとのことです」
「あ、そうなんだね……」
わざわざそれだけを伝えにきてくれたらしい。
そそくさと回れ右をする中城くんを、なんとなく引き止めた。
「ちょっと待って、」
「なんでしょう」
「えと、雪くんあれから……大丈夫?」