孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
昨日シャワールームを出てから、まだ顔を合わせてない。
「大丈夫、とは?」
「ううんと……情緒? 雪くんがおかしいのはいつものことだけど、なんか昨日は特に思いつめてるみたいだったから」
「……、加藤様が心配するようなことは何もありません」
「わたしは関係ないってこと? 明らかにいつもよりおかしかったじゃん」
さてはなにか知ってるな。
グイっと詰め寄った。
「お願い、教えて」
「いいえ」
「いいえってなに、中城くんってときどき文脈おかしいよ」
「………」
じっと見上げれていれば、能面が少しだけ崩れて、眉毛はハの字、どうしてかほっぺたがほんのり赤く染まる。
「……困ります」
「え? いや、教えてくれないとわたしも困るんだけど……」
「そうではなく。安易に異性に触れるのはおやめください」
「へ……あ」