孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

無意識に制服の裾を掴んでたことに、はたと気づく。

とっさに手を離した。


いけない、ふつうに友達と話すような感覚で接してたから、つい……!


肌に直接触れたわけでもないけど、礼儀作法をわきまえてる中城くんからしたら、はしたなく映るのかも……。



「ごめんねっ、軽々しくて嫌だったよね」

「いいえ」

「雪くんの友達として、マナーとかもちゃんと勉強するね……」


わたしといるせいで雪くんの品格が下がったら最悪だし……。

うなだれるわたしを見ながら、中城くんはふいに言葉を続けた。



「雪様はじつは昨日、見合いの帰りに加藤様の家に立ち寄られたのです」

「っ、え。お見合いって……」


「本日も、その関係で学校をお休みされています」

「………その人と結婚するってこと?」


「………話しすぎました。忘れてください」

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