孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
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─────コーン、……カーン、コーーン……


眠の世界から引き上げてくれたのは、のんびりとしたチャイムの音だった。

うちの学校のチャイムはボリュームが大きくて、耳障りだなあと思うこともしばしば。

今日だけは……助かりました。


寝過ごしたまま授業に入っちゃったら恥ずかしいしね!



よしあと半日がんばるぞ!

──と、気合だけは十分だったのに。


上半身を起こそうと力を入れてみても、体がいうことをきかない。


うっ、鉛のような重さ……。
乗っ取られてるみたい……。


それでもなんとか顔をあげたところで、次の絶望。



「5限目ここじゃなくて情報室でやるんだって!」

「まじ? 早く行かなきゃじゃん……!」



嘘でしょ!

情報室は棟も2つ離れてるし、階段も登らなきゃだし、言うなら教室から1番遠い。


わたしに歩けというの……この状態で……。
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