孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

「担当の先生厳しいらしいよ。テストめちゃくちゃむずくて、1回でも授業休んだら終わりだってさ」


一瞬、保健室に行くことも考えたけど、聞いてしまったからには無理だ。

はあ……がんばらなきゃ。


結局何も食べてない。

温かい飲み物すら買えなかったし、エネルギーというエネルギーが根こそぎ失われた感じがする。


そうこうしてるうちにも、みんなは次々に教室を出ていってしまう。

がらんとした教室に取り残されて、焦りながら教科書類を準備した。


始まるまであと5分もない。
間に合うかな……?


席を立ったらぐらぐら、歩いたらもっとぐらぐら。

三半規管、踊り狂ってるのでは?


明々してる教室の電気をパチっと落として、教室から1歩踏み出した。


次の瞬間。


「──っ!」


目に飛び込んできたのは、扉に寄りかかったひとりの人物。
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