孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「ほんりょー……くん?」


どれだけ視界がぐらぐらしてたってわかる。

彼を形どる綺麗な線と禍々しいくらいの圧倒的オーラは唯一無二で、間違えようがない。


扉の前に立ってなにしてるの……?



「えと……早く行かないと授業始まるよ?」

「どうせ間に合わないから大丈夫」


「でも、走ったら間に合うかも、」

「無理だよ。だって、情報室着く前に、かとーあみちゃん倒れちゃうから」



本領くんに焦点が合ったり、ぼやけたり。

繰り返したあと、4回目のぼやけるターンで、ついに戻らなくなってしまった。


ゆらゆら揺れる視界の中で、だんだんと重力に逆らえなくなっていく。


ぐら、と今までで1番大きなめまいがした。
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