孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「……おっと」
膝から崩れ落ちたはずなのにいつまで経っても衝撃が襲ってこないのは、
本領くんが抱きとめてくれたから。
「かとーあみちゃんって、ほんと……倒れるの倒れるの大好きだよね」
皮肉が優しく聞こえるって……おかしい。
「あんまり無理するなって言ったのに」
移動教室のときのあれ……やっぱり聞き間違いじゃなかったんだ。
「ちゃんとベッドで休みな。保健室まで歩ける?」
踏んばってみるけど、ふにゃふにゃってなって、
とても無理。
「……歩けない……いま、手離されたら、倒れちゃう……」
「離したらだめ?」
「うん……」
「そっか、わかった。素直で可愛いね」