孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「なあんて、冗談。かとーあみちゃんもわかってるでしょ。俺たちは絶対に交わっちゃいけない者同士。……だよね?」
たしかな圧を感じた。
無理やりにでもわからせるチカラ。
考える前に頷いちゃう。
転んだところを助けてくれたことも、“ぜんぶ忘れろ”と言われた気がした。
「じゃあね、“天沢雪クンの彼女”さん。もう二度と関わることはないだろうけど」
そう……これが最後。
今朝のことはもう、なかったことにしよう。
だから、心臓がおかしいのも、気のせい。
本当は優しい人なのかも……とか、考えちゃだめだ。
二度と関わることはない、関わっちゃいけない人だから。