孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

「や……ぅ」


とっさに隠そうと手で覆ってもあっさり引き離された。



「なにその反応。初めてでもあるまいし……」



かああっと顔に熱が集中する。

恥ずかしさからか恐怖からかわからない涙がぽろりとこぼれた。



「──え?」


数秒間、本領くんの動きが止まる。

面食らったように目を丸くして……。



「いやうそでしょ、違うよね、かとーあみちゃん」

「えっ……えっ、と……」



ただでさえ熱がこもってぐらぐらしてる頭、もはやパンクして、プシュゥゥ……と抜けていきそう。
なにが初めてなのか……。



「い、言わなきゃだめ……?」


あれ……どうしよう、本領くんまた止まっちゃった。


「大事にされすぎ……」


うつむいた影で表情が見えなくなった。

かと思えば


「──わっ?」


ぐらり、と傾いた体が倒れてくる……。

おわわっ!?


「本領くん……っ?」


ベッドの上で必然的に抱きとめる形になる。

衝撃に備えてぎゅっと目をつぶったけど、自分でも力は入れてるらしく押しつぶされることはなかった。


どうしたの……?

わたしのこと犯そうとしてたんじゃ……?



「もしかして本領くんも体調わるい?」

「体はへーき」

「そう……?」


それでも本領くんはうなだれたまま。


「本領くんあの、」

「そっか……初めてなら尚更都合がいいな」

「え……」

「俺のこと、一生恨み続ければいーよ」
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