孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

他にあるとすれば、無駄に明るくてちょっと頭がゆるそうな女。

なんでこんな女が……?


疑問に思っても興味になるには足りず、さっさと片付けようとした。



いくら天沢と一緒にいることが多いとはいえ、別々に行動する場面は必ずある。

女友達といるときを見張っていれば近づく機会はすぐできるだろうと踏んで、

昼休みにクラスメイトと中庭にいくところを狙った。


気づかれないように裏から回り込んだ。スマホをいじるふりをしながらテキトウに様子を伺うつもりで。



──『杏実ちゃんと雪くんってどうやって知り合ったの? みんな羨ましいって言ってるよ〜』

──『ええっと……なんだろう? 特にきっかけは覚えてないんだよね……。なんか気づいたら、急に話しかけてくれるようになった感じで』

──『え〜なにそれ! わかった、馴れ初め恥ずかしくて言いたくないんでしょ〜〜!』



よりによって天沢の話題。くだらない恋愛話。

とうぜんいい気分になるわけもなく、馬鹿らしくなってその場を離れようとした。
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