孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

──『杏実ちゃんやばいって、そんなこと言ったら怒られるよ! 本領派の人たちは怖いんだからね? ママも言ってたんだけど、本領くんってヒトデナシの息子なんだって!』


よく聞く言葉。

今さらなんとも思わなかった。



──『ほんりょーくん……? っあ、雪くんと同じくらいお金持ちの人か!』

──『イケメンだけど、めっっちゃレーケツなんだよ。天沢派の先輩を病院送りにしてるの。雪くんとは真逆だね』


──『そうなの? 喋ったことないからわかんないんだけど……』

──『しかも下の名前 “墨”って言うんだって。まんまっていうか、腹黒そうで怖いよね。やってることも悪魔みたい』



これもよく聞く言葉。

今さら──……



──『えっ。すみって、黒に土って書く墨!? 』

──『そうだけど……』

──『すごい! かっこいい……っ。わたし書道習ってるんだけど、書く前にまず墨の勉強からしたの。それでね──』

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