孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

いきなり目をキラキラさせながら食いついてるのを見て
この子、頭おかしーんじゃないのって思った。


友達の話……ちゃんと聞いてた反応とは思えない。



───『墨ってすごい長い歴史でね、でも高級品だったから、昔は身分の高い人しか持ってなかったんだって』

───『へ、へえ』


───『作るのにもすっごい手間がかかるの。型から出したあとに乾燥させて、さらに磨きをかけるんだよ』



ああ、なるほどね。

中学生によくいる、最近得た知識を他人にひけらかしたくてたまらないタイプ……。



───『丁寧につくられた墨ってね、艶っぽくてなめらかで、きらきら輝いてるんだよ! ほんとの宝石みたいでね、 先生は“極上の漆黒”って言ってた……!』


なに力説してんの。バカみたい。

友達、そんなの興味ないって。



──『だから、本領くんのお父さんとお母さんすごいセンスあると思う! いいなあ〜綺麗な名前だなあ〜っ』

< 150 / 313 >

この作品をシェア

pagetop