孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
薄暗い部屋だった。
黒い壁に囲まれてる空間。
天井からはきらびやかなシャンデリアが吊るされていて、室内を幻想的に映してる。
シンプルだけど、すさまじい高級感漂う……。
改めて……ここどこ?
「ごめんね無理やり起こして」
「わっ!?」
内装ばかりに目が言って、すぐ隣にいた人に気づかなかった。
「熱高そうだったから、薬だけでも飲んどいたほうがいいと思ってさ」
錠剤を差し出してくるのは、幻覚でない限り本領 墨くんだ。
街の2大勢力の片方・本領グループの次男で、国宝級の顔面をもつ、不穏な噂が絶えず、なにかと謎が多いLunaの総長……。
まだ寝惚け半分の頭じゃ、なにがどうして今の状況になってるのか理解が追いつかない。
「くすり……」
「そう、薬。解熱剤買ってきたから飲みな」
次に、マグカップ。
とりあえず渡されるままに受け取る。
あ、あったかい……。