孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
あ、しまった。
なんでも、は早まったかも。
「できることなら、です……」
「かとーあみちゃんにしてほしいことなら、いっぱいあるけど」
ごくり、と息を呑む。
相手はLunaの最高権力者。
いったいどんな命令が下されるんだろう……。
「とりあえず、薬飲んで?」
「え……? あ、」
「眠ってちょっとは元気になったみたいだけど、まだ顔赤いよ」
おもむろに伸びてきた指先がほっぺたに触れる。
自分とは違う低い体温に、思わず体がこわばった。
ほんとだ。自分じゃ赤いの見えないけど、やけどしそうなくらい熱い……。
ちりちりって音まで聞こえてきそう。
「の、飲むね……っ。ありがとう」
触れられて見つめられて、さらに熱を持った気がする。
薬の袋を開いて飲み込むまでの動作が、自分でもわかるくらいぎこちなくて恥ずかしかった。