孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

ごく、ごく。

ずっと何も口にしてなかったせいか、白湯がすごく甘く感じる。

薬もすぐに効くわけはないけど、流し込むたびに体に染みわたっていくような……。



「あははっ、すごい飲みっぷり」

「ぐっ……、ごほ、……の、喉乾いてたからつい……! 」



あまりにも自然な笑顔に、むせかけた。

合図にするみたいにして心臓が大きく動き出す。


意外によく笑う人だとは思ってたけど、こんな楽しそうな笑顔は初めてで……。

ううう、容姿が綺麗な人のこういう表情って心臓にわるい……!



「慌てて飲まなくてもコップは逃げないよ」

「あ、はは、そうだよね。ゆっくり落ち着いて飲むね」



は、恥ずかしい〜。
品のない女だって思われたかな……?

いっきに飲み干すのも気が引けて、マグカップをいったん口元から離すことにする。
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