孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「あーあ。おふざけがすぎたかな。ちょっと痛い目見せたかっただけなのに」
2.3回わたしを撫でた手が、乱れた服を丁寧になおして離れていく。
「ほら、もうあみちゃんの家についたみたいだよ」
いつの間にか車は停車してて、窓の外にはわたしの家。
熱が引いていく代わりに、現実がゆっくりと戻ってくる。
ようやく見渡した車内は部屋みたいに広かった。
運転手さんの座席とは壁で仕切られていて、完全にふたりきりだったことを実感する。
先に降りた本領くんがわたし側のドアに回って、開いてくれた。
「あ……えっと。送ってくれてありがとう」
地面に足をついた瞬間に襲ってくるのは、寂しい……という感情。
なんでこんなこと思っちゃうんだろう。