孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
凍りついた愛
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一日杏実の声が聞けなかったせいか、イライラが限界だった。

ホテルという公の場では天沢家の長男を演じ続けなければいけない。

イライラをぶつける相手もいない。


おまけに昼、中城から学校に杏実の姿が見当たらないという連絡が入って、頭の中はそのことで埋め尽くされた。


なかなかひとりになる時間ができずに、21を過ぎてようやく電話をかけることができて。



『っ、はい、もしもし……!』


声を聞いた途端、溜まりに溜まっていた疲れもストレスも怒りも……スッとどこかへ消えていく。


これでもし杏実が電話にでなかったら、気がおかしくなっていたかもしれない。
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