孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている


雪くんは何も言わないまま教室を出ていった。




雪くんとの関係も、もう正常には戻れっこない。

まりやちゃんとも話すことができなかった。



これからどうしよう……

どうしたら……──────



ひとまず立ち上がろうと手を突いたら、ズキッと痛んだ。

突き飛ばされた衝撃でひねってしまったみたい。



ぽた……ぽた……。

次から次へと溢れてくる涙が床にしみをつくっていく。



「っ……うぅ〜〜」


座り込んで泣き続ける。

そんな自分の姿がみじめで、さらに止まらなくなる。



小一時間くらい経ったと思う。

雪くんが出ていった扉のところに、ふと、誰かが立つ気配がした。

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