孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
いや、待て!
ここは遠慮すべきでは……?
もともとLunaの幹部の人たち用に焼いたケーキなんだし。
部外者のわたしが1切れ分けてもらえただけでもありがたいと思え、だよね。
「だ……いじょーぶ、です……」
「食べたいんだって。敷島もう1カット持ってきて」
……え?
渾身の断りは、本領くんの言葉で上書きされた。
「了解」と席を立つ敷島くん。
あ、あれっ!
「い、いやわたし……」
「た、べ、た、い、って顔に書いてあった」
「ひえ」
「俺の目は誤魔化せないよー。……なあんてね。かとーあみちゃんがわかりやすいだけか」
またくすくす笑われる。
もともよく笑う人だとは思ってたけど、ここまでとは思わなかった……。
ありがたく、さらにもう1切れ(と言えないほど大きい)頂くことにした。