孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
敷島くんって本当にお菓子づくりが上手なんだと思う。
最終的にワンホールの半分をひとりで食べてしまったわけだけど、途中で下が飽きることもなく、胃もたれすることも、胸焼けすることもなかった。
あ〜っ幸せだった。
お店出してほしいレベル。
常連になりたい……。
ホットミルクの最後の一口をすすって余韻にひたっていると、ふと、向かいから視線を感じて。
「……っ!」
本領くんと目が合った。
くまさんのマグカップを口につけたまま固まってしまう。
頬杖をついて、まっすぐにわたしを見つめてくる本領くん。
「………? なあに?」
「いや。かとーあみちゃんが、思ったよりちゃんと笑えててよかったなあと」
「あ……、う、ええとさっきは、その節はどうもご迷惑をおかけして……っ」
そうだ、空き教室でうずくまって泣いてるのを見られたんだった……!