孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている


「はは、どうしようね、俺が何言うか怖いね」



瞳がいじわるく弧を描く。

うう〜っ、なんでいつもお見通しなのっ?



「じゃあ、まずは俺の膝にまたがって」

「……へ」

「5秒以内。ほーら早く」

「え? わ、わかりました……?」



深く考えてる暇はない。

王様の命令は絶対……!


一旦腰を浮かせて、本領くんのお膝の上。

向かい合うかたちで、またがって……。

そして



「っ!」


あまりの近さに──────息が止まった。


びっくりした反動で飛び退きかけたのを、本領くんの手がしっかりと引き止める。



「は、わ」

「ん、いい子。次は何してもらおっかな」

「っ」

「なんでも、してくれるって約束だよね?」

「う、うん」


「じゃあさ。かとーあみちゃんからキスしてよ」



な、……いま、なんて。

聞き間違い………?
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