孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている


「…っ、……ん、」


形をたしかめるように丁寧に重なって。

ゆっくり離れて。

今度は下からすくいあげるようにして押し当てられる。



「んぅ…っ」


甘い……。

くらくらする……。

どうしよう……頭、ぼんやりして、本領くんのことしか考えられない……。



「ね、…あみちゃん、…なんでこんなに甘いの? ……とまんない、」

「っぅ、やぁ…」



理性がぐらぐら揺れて、いまにも崩れ落ちちゃいそう。

もっとしてって……言葉にしそうになる。



こんなのだめなのに……なんでだめなのかすら
わからなくなりそうだった。


本領くんの手が、わたしの指先を探し当てて、ぎゅっと握る。


ドク、と痛いくらいに動く心臓。



「だめ……だよ、」


ぎりぎりのところで、

──────その唇をかわした。



こんなのだめ。

だって、本領くんには……



「好きな人が……いるのに」



甘いのと気持ちいいのと、好き……なのと。

ぜんぶが混ざって涙が出た。
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