孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
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会食に間に合わないから手短に済ませるようにと中城真尋は言った。
それから「初めに言っておかなげればならないことがある」とおれに謝った。
杏実の行動について、おれに、たびたび嘘の報告をしていたらしい。
悪びれた様子もなく、最初から最後まで淡々と話していた。
中城真尋らしいと思った。
「本領の件、おれに黙っておこうと思った理由はなんだ」
「それはもちろん、雪様がお知りになれば、本領を殺すか、加藤様を壊してしまうか。どちらかにしかならないと思ったからです」
「じゃあ、今、白状した理由は」
「さあ……。もう大丈夫だと、思ったからですかね」
「根拠もないのにか? このまま気が狂って本領を刺しに行くかもしれないぜ」
「いいえ。表情が、少し昔の……俺と一緒に遊んでいた頃の雪様に戻っているのでもう大丈夫です」
「はあ?きも……」
素で引いた声が出た。
「このお口の悪い雪様は本物ですが、みんなが思う太陽みたいな“雪くん”もニセモノではないこと、俺は知ってますからね」
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会食に間に合わないから手短に済ませるようにと中城真尋は言った。
それから「初めに言っておかなげればならないことがある」とおれに謝った。
杏実の行動について、おれに、たびたび嘘の報告をしていたらしい。
悪びれた様子もなく、最初から最後まで淡々と話していた。
中城真尋らしいと思った。
「本領の件、おれに黙っておこうと思った理由はなんだ」
「それはもちろん、雪様がお知りになれば、本領を殺すか、加藤様を壊してしまうか。どちらかにしかならないと思ったからです」
「じゃあ、今、白状した理由は」
「さあ……。もう大丈夫だと、思ったからですかね」
「根拠もないのにか? このまま気が狂って本領を刺しに行くかもしれないぜ」
「いいえ。表情が、少し昔の……俺と一緒に遊んでいた頃の雪様に戻っているのでもう大丈夫です」
「はあ?きも……」
素で引いた声が出た。
「このお口の悪い雪様は本物ですが、みんなが思う太陽みたいな“雪くん”もニセモノではないこと、俺は知ってますからね」