孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
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チュチュン……チュンチュン……。

すずめの囀りで、このまで朝を意識する日が来るとは思わなかった。



起きてしまった……。

昨日の夜、一刻も早く眠りたかったのに眠ったら起きなきゃいかないのがつらくてなかなか眠りにつけなかった。


頭もまぶたも手足もぜんぶ重い。

行きたくないなあ……学校。



──『今の雪くんは、わたしが好きだった“雪くん”じゃない……。もう、一緒にいたくない……っ』



ひどいこと言っちゃった相手と。


──『だめだよ………好きな人が……いるのに』


キスしちゃった相手……と。


同じクラスだから、どちらからも逃れられない。


このまま休んじゃおっかなあ……。

甘えに走りかけた思考を振り払う。
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