孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
──はあ……。
校門の手前まで来て、やっぱり帰ろうかなと思った。
今、わたしは全校生徒に性格の悪い女だって思われてる。
毎日毎日、突き刺さる視線は変わらず痛いし、すれ違いざまにひそひそ聞こえてくる悪口もそう簡単に慣れるものじゃなくて……。
うう……胃がぎりぎりする……。
特に、今日は隣に雪くんがいないから……。
わたしにしっかり聞こえるように罵声を浴びせられたらどうしよう。
いやそれくらいならまだなんとか!
廊下を歩いてるすきに空き教室に引きずり込まれて、フルボッコにされたりしたら……!
次から次へと襲ってくる不安に、歩くペースがどんどんどんどん遅くなっていく。
帰りたい帰りたい帰りたい……っ。
校舎内に入りはしたものの、ついに足を止めてしまった。
──そのとき。
「あ、加藤さんだ!!」
前を歩いてた女の子軍団のひとりが急に振り向いたかと思えば、
それを合図に、周りの子たちも一斉にわたしを見て。
びくぅっと震え上がった。