孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「あ、あのわたし……」
「っあ、ごめんね! 無理して喋んなくて大丈夫だよ! 毎日ツラかったよね……」
つらい?
たしかに毎日つらい状況ではあったけど、なんか、全然会話が噛み合ってないような……。
「本当に災難だったね。風邪拗らせて1ヶ月以上も声が出せなかったなんて、そりゃあ精神的にも病んじゃうよ〜〜」
「声が出にくい状態なの知らなくて、私たち無視されてるんだとばっかり思ってて……悪く言っちゃってた、ほんとにごめんね……」
初めは何言ってるかさっぱりで、誰か他の人のことと勘違いして喋ってるんじゃないかと思ったけど。
「思えば加藤さん、クラスのみんなとだけじゃなくて、一緒にいる雪くんとも全然話してなかったもんね……。その時点で気づくべきだった……」
一方的に与えられ続ける情報から、もしや……とある憶測が頭に浮かんだ。
教室に着くまでずっとその女の子軍団の話を聞きながら、憶測は確信に変わる。