孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
苦い初恋の思い出として墓場まで持っていこう。
本領くんにとってはただがキスだったかもしれないけど、わたしにとっては初めてなんだもん……。
こっそり大事にするのくらい、いいよね……?
「ていうか、杏実は進展ないのー?」
「っえ!」
「あ、もちろん私はゆきあみ推しだけど〜。杏実の好きな男、せっかく同じクラスにいるのにさ」
勢い良くばっと教室を一周して、ほっと息をつく。
よかった、本領くんいないみたい……。
「うーんと……。望み、ないんだよね」
「まあ派閥の問題がねえ……」
「そうだよね……。それもあってかわたし、本領くんに「憎い」って言われちゃって」
「え、憎い!?」
「うん、前に話す機会があったときに言われてるんだよね。脈なしすぎる……よね。嫌われてるところかのスタートは、望みないよね……」