孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

「こんなとこにいたのか」

「え」


「本領が探してたぜ。5限目になってもあんたが教室に戻ってこねーから。なんか知んないけど、俺のせいかもってあいつ焦ってた」

「っご、ごめんなさい……! 本領くんはなんもわるくなくて、わたしが勝手に感情を押し付けて逃げてきただけで……!」


「いや、オレに言われてもわかんねーから」



すぱっと言われて、そうだよね……と口をつぐむ。



「 “さっき言ったことが本当なら、明日の放課後、Lunaの幹部室においで ” だってさ」

「え……」

「本領、今日は家の用事で早退したからオレが代わりに伝えに来た」


「家の用事……。お見合い、とか?」


雪くんのそばにいすぎて、真っ先に思いついてしまう。



「ちげーよ。兄貴に呼び出されたんだと。あんた一応部外者なんだから、こっそり来いよ。あと、明日の放課後以外に来ても開けてやらねーからな。来るなら明日の放課後しかねーぞ」



それだけ言って、くるりと背を向ける。

本領くん、お兄さんいたんだ……。


ていうかもしかして、敷島くんがここに来たのは偶然じゃなくて、わざわざ伝えるために探してくれたの……?

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