孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
『さっそくで悪いのだけど、私、あなたとじっくりお話したいことがあるの』
「え、わ、わたしと……? どちら様、でしょうか」
こんな話し方をする知り合いは、いくら記憶を辿ってもいない。
『そうね。天沢雪さまの……婚約者になるはずだった者、と言えばわかるかしら』
「っ、え……」
雪くんの婚約者……になるはずだった予定。
ってことは、破談になったお見合い相手……っ?
『雪様のことがどうしても忘れられず調べていたら、あなたにたどり着いたの。中学の頃から雪様の周りをうろちょろしていたそうね。おかげで雪様もペットのような愛着が湧いてしまわれて、大事な縁談の話まで支障が出ているそうじゃない』
「……はあ」
「思い上がりもほどほどにしなさいね。明日の16時、学校裏の公園で待っているわ」