孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
──結果、本気にせずに正解だった。
もし本心なら、今日の放課後にLunaの幹部室へ来るように敷島に伝えてもらった……けど。
たった今、──────昼休みになった途端、
みんなの目を気にしながら俺のところにこっそり駆け寄ってきたかとーあみちゃん。
目を泳がせながら、泣きそうなくらい申し訳ない顔をして。
「今日、ね……やっぱりLunaの幹部室にはいけない……ごめんなさい」
──────ああ、やっぱりね。
一晩寝たら正気に戻ったんだ。
昨日、抱きつかれたときに、勢いで抱きしめ返さなくてよかった……。
「やっぱり、雪くんのこと、忘れられなくて……今日もね、雪くんと一緒に帰るの……」
「……そっか。わざわざ言いに来てくれるの、えらいね」
「っ、あともう、本領くんには関わらないようにするね……今までたびたびありがとう……」