孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
悪気がないのはわかってる。
今日、来る、来ないの報告だけで十分なのに。
天沢のことが忘れられないとか。
一緒に帰るとか。
俺にもう関わらないとか……。
そーいうの、思ってても言わなくていいんだって。
容赦ないなあ、ほんと……。
それ以上に、やっぱ可愛いな……って思うのは
相当重症なんだと思う。
「うん、わかった。じゃあね」
きっぱり断ち切るために、さっさと背向ける。
考えないようにしたいのに、
昨日、巴からの依頼で男を吐かせてるところを見られて。あれがだめだったのかな……とか。
もう無駄だとわかっていても考えてしまう。
──────いや、関係ないな。
だってあの子は天沢派の女で
俺は本領の男だから。
ただ、それだけのハナシ。