孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

悪魔の笑みを見て確信する。

ぜったいわざとだ……!


わたしに言わせるなんてとんだ意地悪だ。

でも、しょーがないと思う。

相手は本領くんだから……
好きな人だから……


言わなきゃしてくれないなら、言うしかないんだもん。



「もっと……ちゃんとして」

「ちゃんと?」

「キス、ちゃんとして……っ」

「あはは、必死」


焦らされると頭がぐらぐらしてくる。

唇、目の前にあるのに……。

わかってるくせに、なんでしてくれないの…っ?


我慢できなくなって、本領くんのシャツをぎゅうと握った。



「いつもみたいに深いの……してよ…」



───ほんとに、理性ってなんだっけ。

好きすぎて、いつもおかしくなっちゃう……。



「ごめんごめん。深いの、してほしかったね」


ナデナデ、子ども扱い。いつものこと。

そうされるとわたしが素直になるのを知ってるからだ……。


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