孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
なのに。
「いーから。黙って座ってな」
一直線に見つめられながらその冷静な声を聞くと、体は素直に従ってしまう。
やっぱり呪いみたい……。
しばらく待っていると、本領くんは本当に消毒液とガーゼと脱脂綿を持って現れた。
「あ、ありがとうございます。あとは自分で、」
「いい。俺がやる」
「は……い」
ベッドに座ったわたしの足元に、膝をついて屈み込む彼。
ひ……跪かせちゃった……。
あまりの恐れ多さにぶるぶる震える。
果たしてこんなことがあっていいのだろうか。
いやいいわけがない。
これ、授業で習った反語表現。
断定を強調する効果があるって、先生言ってた。