孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「おかえりなさいませ、墨様」
ようやく玄関に着いたと思ったら、今度はメイドが立っていた。
つい先日入ってきたばかりの新しいメイドだ。
俺の時間割は把握してるはずけど、余計なことはなにも言ってこないあたり優秀だと思う。
「なにか軽食でもご用意いたしましょうか?」
「んーん大丈夫。部屋で休むからほっといていーよ」
「承知いたしました」
階段に足をかけたところで、ふと立ち止まる。
「ねえ、あのさ」
「はい。どうなされましたか?」
「巴の……兄貴の高2の1学期中間テストの成績調べといてくれない?」
「は……い、かしこまりました。それではお調べしたあと、お部屋に伺いますね」
「ありがとう。兄貴には内緒で、ね」