孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
友達からも、雪くんからも、まだ着かないの?って連絡がたくさんきてるけど返してる暇もない。
新学期から遅刻するわけには……。
ていうかクラス替えもまだ見てないのに!
「助けてくださってほんとにありがとうございました、それじゃあ……えと、失礼します」
「失礼しますっていうか、俺も行くんだけどね学校」
「あ……そっか」
「一緒に行く?」
「っや、ご遠慮しますお先にどうぞ……というかそっちも嫌ですよね? その……敵対派閥の人間と交わるのとか」
「でもこのままだと、かとーあみちゃん遅刻するよ」
「うっ、それはそうだけど」
ていうかどっちにしろ本領くんも遅刻では?
……と思いきや。
「俺はバイクだから遅刻しないけど」
ほれ、と指を差された方を向けば、黒光りするエンジン付き二輪車が。