孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている

痛いところを突かれてぎくり。


ううん、これは彼女であっても同じこと。


雪くんはどうしてか、わたしをSolっていう組織には近づけたがらない。

学校の南棟の4階隅にSolの溜まり場があるんだけど、以前用があって近くまで行ったときも中には入れてもらえなかった。



「公私のけじめをしっかりつけたいんじゃないかなあ……。プライベートでは親しくても、わたしはSolの組織とは関係ない人間だし」


自分で言いながら納得した。

雪くんは厳しく育てられてるから、そういうところもしっかりしてそうだもん。


「そういうもんなの?」

「そういうもんだよ!」



わたしが詳しくないのは、SolとLunaの派閥にあんまり興味がないせいでもある。


教えてほしいって言えば、教えてくれるのかもしれないけど、知ったところで雪くんへの見方が変わるわけでもないし。

雪くんは、あくまでわたしの知ってる雪くんがホンモノだっていう自負もあったり……。
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