孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
なるほどね、ひとりじゃ誘う勇気がないからわたしに伝えてもらおうってことだ。
当然、この手の依頼も初めてじゃないんだけど……。
「オレ“たち”って?」
「俺の友達をもうひとり連れてくるからさ、加藤さんも一緒に、ダブルデート的な」
「ダブルデート……!?」
どうしよ、間接的といえ数合わせとはいえデートに誘われたのは人生で初めて。
雪くんとふたりで出かけることはあっても、恋人じゃないからデートとは言えないし。
「ね、どうかな加藤さん」
「んん……わたしは、」
「あ、もちろん雪くんが彼氏なのは知ってるよ! でも事情を説明したらわかってくれるって。雪くん優しいでしょ?」
「う、うん」