孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
冷たい水
.
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「ねえ杏実ちゃん。あのふたりいい感じだし、そろそろオレたち抜けよっか」



──日曜日。

佐々木くんとまりやちゃんの仲を縮めるために協力したダブルデート。

いい雰囲気なってきたふたりを横目に、うんと頷く。



「ふたりうまくいきそうでよかったね。じゃあ、お疲れさまでした! 」


もう役目は果たした。

わたしのお相手──佐々木くんの友達に、手を上げてまわれ右をする。

……つもりが。



「待って待って、どこ行くの?」

「へ? 家に帰るんでしょ?」

「せっかくのダブルデートじゃん。オレたちはオレたちで続きを楽しもうよ」

「んえ……」


たしかにダブルデートっていう体ではあったけども。
わたしたちは、ふたりをくっつけるだけのお仕事だったはずで……。
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