孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
「──それじゃ、オレはこれで! じゃあまたね雪くん!」
「うんっ、気をつけて帰ってね〜」
上機嫌に去っていくクラスメイトくんに、いつもとなんら変わらない笑顔で応える雪くん。
至って普通だ……。
「杏実ちゃんも今日はありがとうね! また明日!」
「っあ、こちらこそ。ラテも奢ってくれてありがとう! またねっ」
手を振って見送る。
相手が背中を向けても、雪くんは笑顔。
大丈夫そう。
どうやら取り越し苦労だったみたい……。
心の底からホッとした。
そうだよね。
いくら独占欲魔神とはいえ、雪くんだってもう高校2年生だし。
わたしが男の子と遊んだとしても、いちいち気にしない……
「──で。 あの男と何してた。3秒以内に答えろ」
わけ、なかった。