孤高の極悪総長さまは、彼女を愛しすぎている
クラスメイトくんの背中が角に消えていった瞬間に牙をむく。
「っ、ただ送ってもらっただけで」
「まりやとかいう女とふたりで遊ぶって言ってたの、あれ嘘?」
「ご、ごめん! でもやましいことはなくて、まりやちゃんとお近づきになりたい男の子がいて、でもいきなりは気まずいからお手伝いでわたしたちも一緒にダブルデートみたいな……!」
「経緯とかどうでもいーんだよ。おれに嘘ついたのか、ついてないのかって話をしてんの」
これはホンモノの雪くんの中でも、やばいときの雪くんだ。
目が据わってる……!
「ごめ、なさ……嘘つきました。雪くんに言ったら止められると思って」
「おれが止めるってわかってることを、お前は平気でやる、と」