甘く、溶ける、君に。
#幼なじみ、先輩、お隣くん
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「……千輝くん?」
「はよ。待ってた、遥乃のこと」
私は驚いて、目を丸くした。
背が高くすらっとした、どこからどう見てもかっこいいそのシルエットが私を待っていた、と言うんだから。
昨日、あれから少しも残さず完食してくれた千輝くんはお皿を洗って隣の部屋に帰っていった。
私は千輝くんが部屋からいなくなっても千輝くんのことしか考えられなくて……千輝くんがいた場所に残った匂いに胸が締め付けられるみたいになって。
壁一枚、その隣に千輝くんは確かにいる。そんな壁、壊したくなってしまって。
授業の課題なんて全く頭に入ってこなくて頭の中は千輝くんでいっぱいなまま、今日、朝を迎えたわけなんだけど。