甘く、溶ける、君に。
……まさか、その千輝くんがいるとは思わなかった。
一階のエントランスに見覚えしかないシルエットがあって。
私に気がつくと私のことを待ってたなんて言う。
私だってそんなに遅い時間に出ているわけではない。何時から待機してたの、一体。
それに……こんなに頭の中千輝くんでいっぱいのまま、会うことになるなんて。
今の状態じゃ、普通に話せる気しない。
また勝手に何か口走ってしまう予感しかしない。
「おはよう、何か用あった?」